tractatus

思考の垂れ流し

素直でありたい

 自明度の高いものほど気づきにくい,と思う.当たり前であればあるほど其れに意識が向かわないからかしら.聞けば単純で誰でも思いつきそうだけれど「ああそんな発想が…」と驚かされ,また関心が其処へ向かわなかった自分に呆れることが日々数え切れぬほどある.
 
 物理学者として名を馳せたBohrのエピソードのひとつに気圧計に関するものがある.「気圧計を用いて某建物の高さを調べよ」という問に対して,当時高校生であった彼は突飛な解答を示したらしい(詳細は述べぬ,話すと長くなる).突飛といっても小学生でも容易に思いつくであろうその解答は周りを圧倒したらしい.
 
 上記の例に見てとれるように,容易く思考された結果のように思われても実はこれが意外と難しい.物事は我々が考えているよりも遥かに単純であると考えれば少しはBohrに近づけるだろうか.物理現象が自然に為されるように,自らも素直に思考すれば道は開けていくのかもしれない.
 
 今は亡きBohrやRutherfordに思いを馳せ,物理の参考書を終いながら,素直な人でありたいと呟きつつ床に就いた夜であった.