tractatus

思考の垂れ流し

人生の選択

 人の数だけ物語がある。1ミリとも違わない、他人と全く同じレールの上を歩むなど有り得ない、はず。

 
 今日は何を着ようか、何を食べようか、選択の連続である。その1つ1つの選択が時の流れとして形をつくり、やがて"死"という人生の帰結を我々にもたらすのである。
我々がどれくらい生き、どのように暮らし、どれくらいの満足感を得てこの世を去るのか。
そんなものは選べないと多くの人は言うだろう。確かに人ひとりでどうこう出来ないこともあるが、しかし無意識のうちに選んでいるのもまた事実だ。
1つの決定がその先の命運を左右するというのはよくある話で、もう取り返しがつかない、時間は戻らない、あの時あれこれすれば良かったと後悔し、苦く切ない経験をしたことのある人はたくさんいるだろう。


 人生はやり直しのできない壮大なゲームである。だからこそ"生まれ変わったら何になりたい"とか"次の人生では裕福な生活を送りたい"とか、実体を示すことの困難な輪廻を信じ、ある人はこれに縋り、現世に生きることの難しさを乗り越えようとする。

 人生は選択の連続である。"選ぶ"という行為は、我々が考えているよりもずっと重要なものなのかもしれない。