tractatus

思考の垂れ流し

思惟

終わらせなくては、と思っていることがある。
いつか来る終わりに備えよう、と思う。



■1. 苦
何かを理解したつもりになって結局のところ何も解っていない、その可能性に触れず満を持して他人に「理解」をぶつけ対話を進めようとすることが如何に軋轢を生むか、当人は知る由もあるまい。


■2. 廻
日々いろんなことに頭を悩まされる。課題は妥協の産物として山積していく。
環境が目まぐるしく変わるこの時期、毎年頭の中で総括のようなことをする。人が違えど場が違えど、過去は想起させられて何らかの形で中途半端に消化される。不完全な清算がまたいつか記憶を呼び寄せる無限ループ、贖罪が足りない。


■3. 学
間に合わせの最低限を積み重ねても最終的な必要十分量には達しない、だからこそ不確かな成功に臨むために準備だけは着実にしておきたかった。土台がぐらぐらしていたら上に幾らモノを積み上げようとしても、崩壊する危険性が積み上げの有効性を遥かに上回って何をするにも臆病になる。どっしり構えるにはそれなりの根拠が必要だった、今更どうしろって言うの。
生きている限りにおいて最善を尽くす。これより他ないでしょうね。


■4. 焉
何もかもをかなぐり捨てて生活を終わりにしたいと思うことは幾度となくあるけれど、詰まるところ総ての時間がかけがえなくてわたしには勿体ない毎日だった。そう思うに十分な程たくさんの人にお世話になったし、色んなことを経験した。
我儘かもしれない、でもやっぱり結びは笑って過ごしたいなあなんて、曖昧に言の葉を紡ぐ。



過去は廻り、春へと帰す。